今後はこのようなESG開示のフレームワークはより定量的かつ広範囲に求められるようになるだろう。スコープ1から3までの温室効果排出量はもちろん、ESGに含まれる人的資本(人権・人材の多様性など)を含むガバナンスにも深く詳細な開示が求められるようになる。非上場企業も含まれていくことになるだろう。
グローバル・サプライチェーンの広がりを考えると、日本もまったく他人事ではない。
日本経済新聞によると、EUや中国、カナダもこのISSBに積極関与を狙っているという。日本も経団連が提言を11月にも出す予定だ。
ESG情報の開示についてはこうした定量化の動きとともに、さらに広範囲な開示要求の動きもある。自然資本に関する自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)がそれだ。これからのESG・サステナビリティ情報の開示は企業価値に直結する。こうしたフレームワーク策定が激しく動く中、企業がどのように対応していくかが問われている。
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