東京証券取引所の市場再編まであと半年を切り、区分発表まで一月あまりとなった。今回の再編には気候関連財務情報の開示が話題だが、なぜ市場再編と気候変動・脱炭素が結びつくのか、わからないまま対応している企業も多いのではないか。新時代の企業価値向上に直結する、市場再編と改訂コーポレートガバナンス・コード、TCFD開示情報をより深く知るシリーズをお届けする。
シリーズ:イチからはじめるプライム市場・CGコード・気候変動対応
(2)今こそコーポレート・ガバナンス・コードに向き合うべき理由
(3)東証再編でキーになるTCFD すべての企業は具体的に何をしていけばいいのか
東証の市場再編が2022年4月に行われるのを前に、上場会社では市場区分の移行先の選択が進んでいる。2021年12月30日までに移行先を申請し、2022年1月11日に市場区分が発表される予定だ。その後、4月4日に一斉移行される。
市場再編に併せて、機関投資家に向けた行動規則「スチュワードシップ・コード」は2020年に、上場企業に向けた「コーポレートガバナンス・コード(CGコード)」は2021年6月にそれぞれ改訂された。
再編する区分のうち、プライム市場対応としてESGやTCFDを含む気候変動対策の対応が迫られるとニュースでもたびたび取り上げられるようになった。
しかし、なぜ、このような市場変更がおこなわれ、なぜ気候変動対策が企業に求められるかをより掘り下げて知らなければ、形だけの対応が横行し、今回の市場再編の効果は限定的になるだろう。
なぜ、このタイミングで市場は再編されるのか・・・次ページ
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