COP26で、企業の気候変動リスクの開示について、新しい進展があった。IFRS財団による新しいIFRSサステナビリティ開示基準と、そののための国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)を立ち上げだ。ブラックロックのラリー・フィンク氏は非上場企業にも気候変動リスク開示を求めた。
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現在英国で開かれているCOP26で、企業の気候変動リスクの開示について、新しい進展があった。
まず、IFRS財団による新基準策定とその策定に関わる委員会の設立だ。IFRSでは2022年6月を目標に、IFRSサステナビリティ開示基準を設定するとCOP26で発表した。このIFRSサステナビリティ開示基準策定のため、国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)を立ち上げた。
このISSBの設立にあたり、テクニカルな事前ワーキンググループ(TRWG)が新しい開示基準のプロトタイプを同日公開した。TRWGの設立は2021年3月に発表されており、ついにその公開準備が整ったということだ。
この事前ワーキンググループのメンバーは気候変動開示基準委員会(CDSB:Climate Disclosure Standards Board)、国際会計基準審議会(IASB)、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)、価値報告財団(VRF)、世界経済フォーラム(WEF)。証券監督者国際機構(IOSCO)も準備をサポートしているという。
いくつか聞きなれない団体があると思うが、気候変動開示基準委員会(CDSB)とはThe Climate Group等8団体で構成されているコンソーシアム。CDPに事務局がある。価値報告財団(VRF)とは、サステナビリティ会計基準審議会(SASB)と国際統合報告評議会(IIRC)の統合により2021年6月に設立された団体。
つまり、現在のサステナビリティ、または気候変動リスクを含むESGに関する企業開示のフレームワークをつくってきた団体がほぼすべて集まっていることになる。さらに声明では国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)、世界銀行、そしてもちろん国連とも連携するとしている。
ESG開示のフレームワークが統一。より定量的な報告に・・・次ページ
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