こんにちは。毎日連載しております、脱炭素のことばでしりとりをつないでいく、「日本一わかりやすい脱炭素用語集しりとり」です。タイトル長すぎ。
昨日は「ウルグアイ」と脱炭素の関連を紹介しました。今日は「い」はじまりのことばです。さっそくいきましょう。
イヌイットというのは、北極圏に昔から暮らしている人たちの中で、一番多い民族集団の名称です。いくつかの国、アラスカやグリーンランドなどに暮らしています。グリーンランドでの観測史上、最低気温は1950年代のマイナス70℃だそうです。寒すぎ。最近では寒い時期でマイナス10℃から20℃のあたりです。
気候変動、地球温暖化の影響で、この人たちの暮らしも変わりつつあります。
グリーンランド南部、1960年代にはジャガイモをつくってもうまく育ちませんでしたが、今では100トンの収穫量です。このように、収穫できる農産物が変わりつつあります。
いいことばかりではありません。夏は以前よりも暑くて乾燥しがち、2ヶ月近く雨が降らないときもあるそうです。冬は雪が少なく、一度降るとドカ雪になるとのこと。南グリーンランドでは苦労しながら牧羊をしているのですが、牧草が枯れてしまうようです。
北部のグリーンランドにはシオガパルクという、世界で一番北にある村があります。北緯77度。植村直巳さんも立ち寄ったことのある村だそうです。
そこに暮らすイヌイットは、セイウチ狩りを行います。1970年代には日本のテレビ局が一年間住んでドキュメンタリーをとりました。そのドキュメンタリーでは、2月から5月にかけて狩猟キャンプをおこなったとあります(1976年)。狩猟キャンプは村から20km沖合に出た凍った海の上で行われ、10月下旬から6月まで海は氷で覆われていたのです。
今はもう5月には、昔のようにキャンプが張れるほどの氷ではなくなり、ところどころとけているところもあります。12月にならないと氷ははらず、4月には氷が壊れてしまうということです。
イヌイットのセイウチ狩りに欠かせないイヌぞりも、むかしよりも使える期間は2ヶ月から4ヶ月短くなったということです。これも海の氷が薄くなったからですね。
北極圏の陸上の気温は、過去30年間で2℃上昇したといいます。イヌイットの人たちが彼の地に住みはじめたのは5,000年ほど前といわれています。その暮らしが急速に変わっているのです。
もちろん、ヒトには環境適応能力というものがあります。イヌイットの人たちも、なんとか環境の変化に対応しながら暮らしを続けています。でも、適応できないほどの変化が訪れたら? 今いる場所に暮らせなくなったら?
「もっと気候のいい場所に移り住めばいいじゃん」と思うかもしれません。しかし、このまま温暖化が進むと人が住むのに適した場所は少なくなっていくでしょう。イヌイットの暮らしの変化は、そうした未来を予兆させるものではないでしょうか。
日本にも、湖の氷の観測の話しがありました。長野県の諏訪湖です。身近な話しなのですね。
イヌぞり、まだ乗ったことはないのですが、一度乗ってみたいな、と常々思っております。
しりとり用語紹介は続きます。明日は「と」はじまりのことばですね。よい日曜日をお過ごしください。
林直孝, 変化する環境の中で生きるグリーンランドのイヌイット, 極地 第54巻第2号(2018)を参考にしました。
これまでのしりとり
しりとり
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りにゅーあぶるえなじー(リニューアブルエナジー)
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じぞくかのうせい(持続可能性)
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いーろんますく(イーロン・マスク)
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くらいめいと(Climate)
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とくべつこうあつ(特別高圧)
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つんどら(ツンドラ)
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らるでれろ(ラルデレロ)
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ろはす(ロハス)
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すいそ(水素)
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そーらーしぇありんぐ(ソーラーシェアリング)
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ぐりーんにゅーでぃーる(グリーン・ニューディール)
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るりかけす(ルリカケス)
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すまーとめーたー(スマートメーター)
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たいようでんち(太陽電池)
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ちちゅうねつりよう(地中熱利用)
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うみ(海)
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みどりむし(ミドリムシ)
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しーでぃーぴー(CDP)
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ぴーぴーえー(PPA)
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えねき(エネルギー基本計画)
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きたほんれんけい(北本連系)
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いーえすじー(ESG)
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じーえいちじー(GHG)
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じおぱーく(ジオパーク)
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くうきでんち(空気電池)
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ちさんちしょう(地産地消)
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うぃんどふぁーむ(ウィンドファーム)
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むうるがい(ムール貝)
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いぶき(いぶき)
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きこうしなりお(気候シナリオ)
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おおあめ(大雨)
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めたんがす(メタンガス)
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すてらまっかーとにー(ステラ・マッカートニー)
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にほんおろしでんりょくとりひきしょ(日本卸電力取引所)
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しょうえね(省エネ)
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ねっとぜろ(ネットゼロ)
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ろかぼ(ロカボ)
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ぼるけーの(ボルケーノ)
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のっくす(ノックス)
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すまーとしてぃ(スマートシティ)
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てぃーしーえふでぃー(TCFD)
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でぃすくろーじゃー(ディスクロージャー)
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じゃくでんき(弱電気)
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きどるいげんそ(希土類元素)
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そうでんもう(送電網)
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うっどちっぷ(ウッドチップ)
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ぷらねたりーばうんだりー(プラネタリーバウンダリー)
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りちうむ(リチウム)
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むでんちゅうか(無電柱化)
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かーぼんふっとぷりんと(カーボンフットプリント)
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とくていきぼでんきじぎょうしゃ(特定規模電気事業者)
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しゃち(シャチ)
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ちちゅうかい(地中海)
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いーぴーひゃく(EP100)
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くうこう(空港)
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うぇっとらんど(ウェットランド)
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どうくつ(洞窟)
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つゆ(梅雨)
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ゆーぶい(UV)
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いたりあ(イタリア)
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あいぴーしーしー(IPCC )
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しろくま(シロクマ)
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まいくろぐりっど(マイクログリッド)
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どんぐり(ドングリ)
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りとう(離島)
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うるぐあい(ウルグアイ)
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いぬいっと(イヌイット)
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