てぃーしーあーるいー(TCRE):毎日更新!日本一わかりやすい脱炭素用語集しりとり | EnergyShift

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てぃーしーあーるいー(TCRE):毎日更新!日本一わかりやすい脱炭素用語集しりとり

てぃーしーあーるいー(TCRE):毎日更新!日本一わかりやすい脱炭素用語集しりとり

こんにちは。日本一わかりやすい脱炭素用語を解説するコーナーです。世界一ゆるい気候変動のページを目指しています。

用語は常にしりとりで選ばれます。昨日は「えすびーてぃー(SBT、サイエンス・ベースド・ターゲット)」でしたので、今日は「てぃ」はじまりのことばです。ではさっそくまいりましょう。

てぃーしーあーるいー(TCRE)

また略語ですよ。そしていま、少々緊張しています。というのも、この略語、けっこう専門的でわかりにくいのかもしれない、と書いていても思うからです。

この用語集では、脱炭素とか気候変動とか、はじめての方にもなるべく引かれないように、なじみのあることばや砕けばわかるであろうことばを選んで紹介しています。でも今日のこの「TCRE」は、なじみもなければわかりやすくできるかどうか、自信が揺らぐようなことばではあります。

でも、大事なことば、大事な考え方なので、意を決してやります。やるときはやらなければならいときがあるのです。。。。前置きが長い!

では改めて。

TCRE、いつものようにまず英語をみてみましょう。「Transient Climate Response to Cumulative Carbon Emissions」えええ。ちゃうやん!TCRCCEやん!と思いませんか。わたしも思います。でも、略語になるとTCREになるんですねー。不思議ですねー。

日本語訳もあります。「累積炭素排出量に対する過渡的気候応答」。長い。では、これがなぜ重要なのか。

パリ協定、は聞いたことがあるのではないでしょうか。で、その目標がマイナス1.5℃だ2℃だ、だから温室効果ガス排出量が46%だ50%以上だ、というあれです。

その1.5℃。なぜそうなのか、はご存知ですか? 誰かが計算してそうなっているんですけど、その計算の根拠のひとつが、このTCREなのです。

気温上昇と炭素の関係は、計算で求められます。その計算方法は、実はシンプルなものでして、炭素(Carbon)が1兆トン排出されると、1.6℃の気温が上昇される、とされています。この計算が、TCREです。

いくつかポイントがありまして、炭素はご存知の通り、二酸化炭素だけではないです。ただ、二酸化炭素が空気中に残るのは非常に長い(メタンは短い)ため、二酸化炭素で考えることもできます。炭素1兆トンは、二酸化炭素3.67兆トンになります。さあ、だんだんわからなくなってきた。

そして、この1.6℃、という数字は実は幅があり、0.8℃から2.5℃の間、とされています。ただ、これだと幅が多すぎるので中央値として1.6℃として計算することが多いです。

この考え方から、地球の温暖化が何度進むには、どれくらいの二酸化炭素、もしくは炭素が影響しているということがわかり、ではこれだけ減らしましょう、ということがわかるのですね。

1兆トン、二酸化炭素にして3.67兆トン。どれくらいかというと、日本の二酸化炭素の排出量は年間約10億トンといわれています。もう数字がでかすぎてよくわかりません。いちばん多い中国は約90億トン。アメリカは約50億トン。世界では335億トン(いずれも2018年)・・・あれ? 3兆とか4兆とか、けっこうすぐ行っちゃうんじゃね? という気になってきました。

やべえ。ということで、世界で排出量削減が求められているのですね。

この、カーボン1兆トンで1.6℃の気温上昇の根拠は? と問われると、観測値、ということです。長期的な地球の気温上昇の観測値と累積の炭素排出が比例関係になることから導き出されたのです。2014年のIPCC第5次評価報告書ではじめてこのことば、考え方はでてきました。

その算出根拠(のひとつ)として、TCREは非常に大事なのでした。

今日はあまりゆるくなかったので反省します。あしたはもっとゆるい解説を目指します。

しりとりは続きます。明日は「い」になります。「い」でお会いしましょう。では、よい週末をお過ごしください。

 

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