こんにちは。脱炭素、カボニューまわりの用語解説の連載をしています。日本一ゆるい解説、もとい、わかりやすい解説を目指します。
しりとりで用語をつないでいます。昨日は「メンテナンス」だったので、今日は「す」はじまりのことばです。ではさっそくいきましょう。
普通の英語ですね。範囲、とか領域、とかの意味になります。これが脱炭素用語になるとどうなるのでしょうか。
企業がどれだけの温室効果ガスを出しているのかを算出するとき、その範囲を切り分けて考えようという考え方です。もう少しかみ砕きます。
企業がですね、自分のところの温室効果ガスをゼロにしよう、という目標を立てたとします。そのとき、ゼロにするっていっても、じゃあ、自分のところからどれくらい温室効果ガスがでているかを知らなければ、ゼロにはできないですよね。100をゼロにする、はできても、よくわかんないけどゼロにする、はできないので。
よっしゃ、じゃあ、測ってみよう。でも、どうやって測ったらいいんだろう。自分のとこのオフィスの電気を自然エネルギーにすればいいんじゃね? ちょっとまった。それは自分の事業のうちの、どれくらいの範囲=スコープなのでしょうか。
そもそも、事業って何? どこまでの範囲をおれっちの「事業」として勘定すればいいの? おれが勝手に決めていいの?
そんなことはないですね。企業の活動範囲を定義しなければ、みんなが勝手に「おれは100%やったもんね」といいはじめるようになってしまいます。
と、いうことで、企業が温室効果ガスを出す範囲を国際的に決めましょう、というのが、温室効果ガスプロトコルという枠組であり、そこで定義されているのがこのスコープ、なのです。
このスコープには3つあります。
ひとつめ。スコープ1。事業者自らによる温室効果ガスの、直接排出。自社ビルの自家発電とか、自社工場の製造時の燃料とかですね。
ふたつめ。スコープ2。他社からの供給による電気や蒸気の間接排出。電気を他社と契約しているほとんどの企業はここです。
みっつめ。スコープ3。そのほか全部。
なに? 1と2はまあわかる。3はなんだ。そのほか全部って。どういうこと?
ですよね・・・。詳しくいうと、事業にかかわる全部です。
その範囲は、原材料の調達時、その原料を輸送したとき。事業からでる廃棄物の廃棄時。リースしたもの。フランチャイズ店。サプライチェーン全般。
そして、社員の通勤、出張なども含まれるのです。たとえば飛行機で出張に行ったときも対象です。
企業活動というのはそれだけ広範囲な活動で成り立っているのですね。この、特にスコープ3は算出が困難です。ですので、いろいろな算出方法のアドバイスをするところもあります。
カーボンニュートラルっていってるんだからそこまで考えてやらないといけない、ということなんですね。
この考え方を含む温室効果ガスプロトコルは、アメリカのWorld Resources Institute(WRI)と、スイスのWorld Business Council for Sustainable Development(WBCSD)が中心になって開発し、2001年に「コーポレート・スタンダード」という形でまとめられました。
このスコープという考え方は、サイエンス・ベースド・ターゲット(SBT)にも採用されています。
一番たいへんなのはスコープ3ですよね。これからさらに詳しく定義がされていくと思います。
ということで、明日のしりとりは「ぷ」はじまりです。今日もよい一日でありますように・・・!
これまでのしりとり
しりとり
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りにゅーあぶるえなじー(リニューアブルエナジー)
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じぞくかのうせい(持続可能性)
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いーろんますく(イーロン・マスク)
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くらいめいと(Climate)
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とくべつこうあつ(特別高圧)
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つんどら(ツンドラ)
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らるでれろ(ラルデレロ)
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ろはす(ロハス)
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ぐりーんにゅーでぃーる(グリーン・ニューディール)
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るりかけす(ルリカケス)
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めたんがす(メタンガス)
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にほんおろしでんりょくとりひきしょ(日本卸電力取引所)
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しょうえね(省エネ)
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ぼるけーの(ボルケーノ)
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てぃーしーえふでぃー(TCFD)
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