雨、大丈夫でしたか。かたよって降りましたね。もう少し、時期とか量とかまんべんなくしてほしいものです。申し遅れました。日本一わかりやすい脱炭素用語解説です。
昨日の「ミック・ジャガー」からのしりとり、「が」ではじまる脱炭素用語は・・・
うん? これって脱炭素関連用語なの? バリバリそうです。ゆるく紹介していきましょう。
英語でいうと、「External Cost」。ほかにも、外部不経済「External diseconomies(Negative Externality )」、外部費用などともいいます。
横文字並べりゃいいってもんじゃないぞ、そうですね。これらはエネルギーシフトと経済を考えるときに大事な考え方で、「見えない、隠れたコスト」のことをどれも指しています。
よく例として出されるのが、公害問題です。工場を建てて利益を得ている会社がいます。でも、工場の廃液で魚がとれなくなってしまった。漁師と工場には取引関係がない。とすると、工場の利益の外部に、隠れたコストがある、という考え方です。
反対もあります。最近話題のフリーライダーですね。外部利益、直接関係ないのに利益を得ていることをいいます。
で、この外部コスト、今の気候変動対策や環境対策に、ヒッジョーに関係してくるのです。
まず、地球温暖化は外部コストであるということ。つまり、ある国、または企業の利益を追求し、結果としてCO2を出していると、他の国や地域(たいていは貧しい国)が温暖化という悪影響をこうむります。これは、外部コストと考えられ、排出権取引制度や環境税にも関連してくる考えです。つまり、排出権をコストとしてCO2を出している国や企業が支払うのですね(これを内部化といいます)。
もうひとつ、再生可能エネルギーはこの外部コストが非常に低いとされています。IPCC(ゆるい解説はこちら→)の調査によると、再エネは他の電源に比べるとかなり外部コストが低いのです。ちなみに、風力発電がいちばん低いです。調査では、いま話題の石炭火力発電は、再エネの100倍の外部コストがかかっています。100倍て。
もちろん、再エネだって外部コストがないわけではありません。いま問題となっているメガソーラーによる景観破壊などもそのひとつでしょう。でも、外部コストを考えるなら、他の電源を選ぶとより高く(見えなくても)ついてしまいます。反対に、再エネも「比較的少ないから」といっていいわけではなく、外部コストを少しでも下げるために努力しなければいけません。
このように、経済的な合理性も、世界が再エネに転換している理由なのです。
問題は、見えないからいいでしょ、ということです。そのために、CDPやTCFD、SBTなどの透明化がとても大事なのです。
家庭にも外部コストはあります。ビールを飲んで酔っぱらって騒ぎ(家族にとっては迷惑なので負の外部コストが発生)、翌日ケーキを買わなくてはならなくなる(内部化)・・・。知らんぷりしていると悪化するやつですね。気をつけましょう。
しりとりは続きます。明日は「と」。よい週末をお過ごしください。
*再生可能エネルギーはなぜ世界中で推進されているのか, 安田陽, 2017.12.14を参考にしました。
これまでのしりとり
しりとり
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りにゅーあぶるえなじー(リニューアブルエナジー)
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じぞくかのうせい(持続可能性)
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いーろんますく(イーロン・マスク)
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くらいめいと(Climate)
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とくべつこうあつ(特別高圧)
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つんどら(ツンドラ)
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らるでれろ(ラルデレロ)
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ろはす(ロハス)
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すいそ(水素)
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そーらーしぇありんぐ(ソーラーシェアリング)
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ぐりーんにゅーでぃーる(グリーン・ニューディール)
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るりかけす(ルリカケス)
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すまーとめーたー(スマートメーター)
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たいようでんち(太陽電池)
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ちちゅうねつりよう(地中熱利用)
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うみ(海)
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みどりむし(ミドリムシ)
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しーでぃーぴー(CDP)
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ぴーぴーえー(PPA)
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えねき(エネルギー基本計画)
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きたほんれんけい(北本連系)
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いーえすじー(ESG)
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じーえいちじー(GHG)
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じおぱーく(ジオパーク)
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くうきでんち(空気電池)
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ちさんちしょう(地産地消)
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うぃんどふぁーむ(ウィンドファーム)
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むうるがい(ムール貝)
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いぶき(いぶき)
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きこうしなりお(気候シナリオ)
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おおあめ(大雨)
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めたんがす(メタンガス)
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すてらまっかーとにー(ステラ・マッカートニー)
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にほんおろしでんりょくとりひきしょ(日本卸電力取引所)
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しょうえね(省エネ)
↓
ねっとぜろ(ネットゼロ)
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ろかぼ(ロカボ)
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ぼるけーの(ボルケーノ)
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のっくす(ノックス)
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すまーとしてぃ(スマートシティ)
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てぃーしーえふでぃー(TCFD)
↓
でぃすくろーじゃー(ディスクロージャー)
↓
じゃくでんき(弱電気)
↓
きどるいげんそ(希土類元素)
↓
そうでんもう(送電網)
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うっどちっぷ(ウッドチップ)
↓
ぷらねたりーばうんだりー(プラネタリーバウンダリー)
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りちうむ(リチウム)
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むでんちゅうか(無電柱化)
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かーぼんふっとぷりんと(カーボンフットプリント)
↓
とくていきぼでんきじぎょうしゃ(特定規模電気事業者)
↓
しゃち(シャチ)
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ちちゅうかい(地中海)
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いーぴーひゃく(EP100)
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くうこう(空港)
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うぇっとらんど(ウェットランド)
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どうくつ(洞窟)
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つゆ(梅雨)
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ゆーぶい(UV)
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いたりあ(イタリア)
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あいぴーしーしー(IPCC )
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しろくま(シロクマ)
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まいくろぐりっど(マイクログリッド)
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どんぐり(ドングリ)
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りとう(離島)
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うるぐあい(ウルグアイ)
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いぬいっと(イヌイット)
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とうやこ(洞爺湖)
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こじぇね(コジェネ)
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ねったいや(熱帯夜)
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やねうえ(屋根上)
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えすびーてぃー(SBT)
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てぃーしーあーるいー(TCRE)
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いんたーなしょなる・えなじー・えーじぇんしー(IEA)
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しーしーえす(CCS)
↓
すきー(スキー)
↓
きこうへんどうわくぐみじょうやく(気候変動枠組条約)
↓
くーらー(クーラー)
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らにーにゃげんしょう(ラニーニャ現象)
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うみがめ(ウミガメ)
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めんてなんす(メンテナンス)
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すこーぷ(スコープ)
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ぷらぐいんはいぶりっど(プラグインハイブリッド)
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どいつ(ドイツ)
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ついったー(Twitter)
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たくそう(託送)
↓
うんゆ(運輸)
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ゆねっぷ(UNEP)
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ぷらちな(プラチナ)
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なんきょく(南極)
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くも(雲)
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も(藻)
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もんすーんきこう(モンスーン気候)
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うちゅうたいようこうはつでんしすてむ(宇宙太陽光発電システム)
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むていでんでんげんそうち(無停電電源装置)
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ちり(チリ)
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りお・さみっと(リオ・サミット)
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とらっく(トラック)
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くじら(クジラ)
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らいふ・さいくる・あせすめんと(ライフ・サイクル・アセスメント)
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とれーさびりてぃ(トレーサビリティ)
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てぃーりーふ(ティーリーフ)
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ふらいでーずふぉーふゅーちゃー(フライデーズ・フォー・フューチャー)
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ちゃいな(チャイナ)
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なさ(NASA)
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さーきゅらーえこのみー(サーキュラーエコノミー)
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みっく・じゃがー(ミック・ジャガー)
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がいぶこすと(外部コスト)
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