こんにちは。毎日連載、カボニュー用語解説をやっています。カボニューとはカーボンニュートラルの略です。北尾トロさんが考えました。
しりとりでことばをつないでいます。昨日は「北海」でした。北海道ではなく、ヨーロッパの方です。今日は「い」はじまり。
国名シリーズ、インドです。国名シリーズは「い」が多い気がする。イタリア、イギリス・・・決してネタ切れではありません。
インドは非常に興味深い国です。興味深くない国などあるのでしょうか。でもその中でも面白い国です。
インドは人口は中国とだいたい同じくらい、中国14.5億人に対してインド13.4億人。でも電力消費量でみると、中国6,833TWhに対して、インドは1,309TWhと非常に少ないです。日本は1,012TWhです(すべて2018、IEA)。
そのインドもいま、再生可能エネルギーを大幅に増やそうとしています。2020年度に139GWだった再エネ発電設備容量を、2022年には175GW、2030年までに450GW(水力を含めると510GW)まで増やそうというのです。およそ3.3倍!現在の国策で、太陽光発電を増やすことと、その国産化に力を入れています。
インドの電源構成(発電量ベース)を見ると、その7割以上が石炭火力で、太陽光は4.4%しかありません(2020年)。それをぐあーーっとあげていこうというのですから、かなりたいへんです。
インドの電力には小売と送配電の問題もあります。州政府傘下のDISCOMという企業が独占運営されてきましたが、非常に事業効率が悪く、多額の赤字を抱え、破産寸前です。小売、送配電のインフラがしっかりしていないと、電源だけ増やしてもうまくいきわたらないという問題があります。
一方で、インドはまだまだ経済成長しています。それが電力量の増加にも比例しているのですが、温室効果ガスも増加している国です。2019年のCO2排出量は21.7億トンで、世界第3位(日本はロシアの次、第5位で11.5億トン)。
インドでは、大気汚染問題も深刻で、世界の大気汚染上位30都市のうち、22都市がインドにあるといわれています。自動車の排気ガスと、そう、石炭火力発電によるもの。なので、国策として石炭火力発電を減らす狙いもそこにあるといえます。
気候変動の影響も受けており、2019年には気温が50度を記録、モンスーン(季節風)による雨の量が予想を超えて加速しており、大雨洪水の影響が都市部だけでなくGDPの2割を占める農業にも影響を与えています。
2021年2月には、インドのヒマラヤ山脈の氷河で雪崩が発生し、土石流となり200人以上の犠牲者もでました。この雪崩も温暖化によるものという論文があります。
インドは急速に脱炭素を進めないといけない理由は、自国の気候変動による災害問題に直結しているのです。
インドの送配電についてすこしお話しました。インドでは送配電ロスが大問題で、28%に及びます。日本では4.7%、中国では7%。その理由について、非常に面白いドキュメンタリー映画があります。街角の盗電師という映画で、気になる方はぜひごらんください。盗電することだけが悪いのではなく、インドの電力について、構造的な問題がわかります。日本でもネットで見ることができます。
しりとりは続きます。明日は「ど」。よい日曜日をお過ごしください。
これまでのしりとり
しりとり
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りにゅーあぶるえなじー(リニューアブルエナジー)
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じぞくかのうせい(持続可能性)
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いーろんますく(イーロン・マスク)
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くらいめいと(Climate)
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とくべつこうあつ(特別高圧)
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つんどら(ツンドラ)
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らるでれろ(ラルデレロ)
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ろはす(ロハス)
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すいそ(水素)
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そーらーしぇありんぐ(ソーラーシェアリング)
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ぐりーんにゅーでぃーる(グリーン・ニューディール)
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るりかけす(ルリカケス)
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すまーとめーたー(スマートメーター)
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たいようでんち(太陽電池)
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ちちゅうねつりよう(地中熱利用)
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うみ(海)
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みどりむし(ミドリムシ)
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しーでぃーぴー(CDP)
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ぴーぴーえー(PPA)
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えねき(エネルギー基本計画)
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きたほんれんけい(北本連系)
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いーえすじー(ESG)
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じーえいちじー(GHG)
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じおぱーく(ジオパーク)
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くうきでんち(空気電池)
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ちさんちしょう(地産地消)
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うぃんどふぁーむ(ウィンドファーム)
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むうるがい(ムール貝)
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いぶき(いぶき)
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きこうしなりお(気候シナリオ)
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おおあめ(大雨)
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めたんがす(メタンガス)
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すてらまっかーとにー(ステラ・マッカートニー)
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にほんおろしでんりょくとりひきしょ(日本卸電力取引所)
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しょうえね(省エネ)
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ねっとぜろ(ネットゼロ)
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ろかぼ(ロカボ)
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ぼるけーの(ボルケーノ)
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のっくす(ノックス)
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すまーとしてぃ(スマートシティ)
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てぃーしーえふでぃー(TCFD)
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でぃすくろーじゃー(ディスクロージャー)
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じゃくでんき(弱電気)
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きどるいげんそ(希土類元素)
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そうでんもう(送電網)
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うっどちっぷ(ウッドチップ)
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ぷらねたりーばうんだりー(プラネタリーバウンダリー)
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りちうむ(リチウム)
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むでんちゅうか(無電柱化)
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かーぼんふっとぷりんと(カーボンフットプリント)
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とくていきぼでんきじぎょうしゃ(特定規模電気事業者)
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しゃち(シャチ)
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ちちゅうかい(地中海)
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いーぴーひゃく(EP100)
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くうこう(空港)
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うぇっとらんど(ウェットランド)
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どうくつ(洞窟)
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つゆ(梅雨)
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ゆーぶい(UV)
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いたりあ(イタリア)
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あいぴーしーしー(IPCC )
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しろくま(シロクマ)
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まいくろぐりっど(マイクログリッド)
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どんぐり(ドングリ)
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りとう(離島)
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うるぐあい(ウルグアイ)
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いぬいっと(イヌイット)
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とうやこ(洞爺湖)
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こじぇね(コジェネ)
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ねったいや(熱帯夜)
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やねうえ(屋根上)
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えすびーてぃー(SBT)
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てぃーしーあーるいー(TCRE)
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いんたーなしょなる・えなじー・えーじぇんしー(IEA)
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しーしーえす(CCS)
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すきー(スキー)
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きこうへんどうわくぐみじょうやく(気候変動枠組条約)
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くーらー(クーラー)
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らにーにゃげんしょう(ラニーニャ現象)
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うみがめ(ウミガメ)
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めんてなんす(メンテナンス)
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すこーぷ(スコープ)
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ぷらぐいんはいぶりっど(プラグインハイブリッド)
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どいつ(ドイツ)
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ついったー(Twitter)
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たくそう(託送)
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うんゆ(運輸)
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ゆねっぷ(UNEP)
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ぷらちな(プラチナ)
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なんきょく(南極)
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くも(雲)
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も(藻)
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もんすーんきこう(モンスーン気候)
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うちゅうたいようこうはつでんしすてむ(宇宙太陽光発電システム)
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むていでんでんげんそうち(無停電電源装置)
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ちり(チリ)
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りお・さみっと(リオ・サミット)
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とらっく(トラック)
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くじら(クジラ)
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らいふ・さいくる・あせすめんと(ライフ・サイクル・アセスメント)
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とれーさびりてぃ(トレーサビリティ)
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てぃーりーふ(ティーリーフ)
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ふらいでーずふぉーふゅーちゃー(フライデーズ・フォー・フューチャー)
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なさ(NASA)
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さーきゅらーえこのみー(サーキュラーエコノミー)
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みっく・じゃがー(ミック・ジャガー)
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がいぶこすと(外部コスト)
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となかい(トナカイ)
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いぎりす(イギリス)
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すまーとぐりっど(スマートグリッド)
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どうろ(道路)
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ろさんぜるす(ロサンゼルス)
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すまほ(スマホ)
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ほっかい(北海)
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インド
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