どう（銅）：毎日連載！日本一わかりやすい脱炭素用語解説しりとり　第117語

こんにちは。日本一わかりやすい脱炭素用語集です。毎日ひとつずつ、脱炭素用語を解説していきます。

しりとりで毎日やっています。昨日は「インド」でした。今日は「ど」はじまりです。

どう（銅）

銅です。元素記号Cu。希少元素のレアメタルと反対に、豊富なのでベースメタルともいわれています。

ではその銅がどのようにカーボンニュートラルと結びついているのか。それは、銅の持つ特質に関係があります。

銅はやわらかく、加工がしやすいのですが、カーボンニュートラル的な特性の一番は、電気の伝導度、つまり、電気の通りやすさです。室温で、２番目によく電気を通します（１番は銀）。ですので、送電線に多く使われてきました。

今の脱炭素への社会の転換で、送電網も世界中で見直されています。ブルームバーグNEFによると、世界の送電網は2050年までに4,800万kmに拡大するとのことです。地球の外周の約1,200倍です。

それに伴って、銅の需要が急激に高くなっています。いくらベースメタルとはいえ、需要が高くなればそれは価格もあがります。

イギリスとフランスの間の海底送電線には、9,000トンの銅が使われたといいます。現在計画中のイギリスとデンマークをつなぐ760kmの海底送電線には２万6,000トンの銅が必要となるそうです。

そして、そう。海底送電線といえば、洋上風力発電。これがいま、世界各国で開発競争になっています。となると、洋上風力発電所と陸上を結ぶ送電線用に、もっと銅が必要になるといわれています。

すでに銅の価格は、この３月に前年比２倍になっていて、さらに高騰する見込みだそうです。

銅は加工のしやすさから、先史時代の銅器など、ヒトの歴史に古くから関わってきました。それが未来社会を支える重要な金属になるとは、なかなかに面白いと思います。

しりとりは続きます。明日は「う」。よい一日をお過ごしください。

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