こんにちは。関東甲信越では梅雨が明けましたね。日本一わかりやすい脱炭素用語解説です。
しりとりでやっております。昨日は「南アフリカ」でしたので、今日は「か」。
今年の梅雨の後半は、雷がすごかったですね。お住まいの地域ではいかがでしたか。雷は、気象現象なので、もちろん、気候変動に雷は関係してくるのです。
今年4月のNature Climate Changeという学術誌に、雷と北極についての論文が載りました。それによると、北極圏の雷は気候変動の影響で今世紀末に2倍になるとのことです。
実は北極圏では雷は非常に少なく、誰もが一生に数回体験するかどうか、くらいでした。研究者の聞き取りによると、ある長老は「そうじゃなぁ、1930年ごろ、わしが5歳の頃に、いちどあったかのう・・・」といったそうです(口調は想像です)。
そんな北極圏に雷が多くなるとどうなるのでしょうか。森林火災です。2014年と2015年に、アメリカ・アラスカ州とカナダ・ノースウェスト州に過去最大級の森林火災が起きましたが、この原因は落雷でした。北極圏で発生する火災の9割は落雷です。
研究者が雷が実際に増えているかどうかを調べたのですが、これは実は諸説あるようです。なぜなら、北極圏の雷についての継続的な計測そのものが行われていなかったからです。さらに全地球の雷観測はまだ20年分しかデータがなく、確実な傾向をつかむのは難しいのです。
ただ、気候変動によってこの先、雷が増えることはほぼ間違いないと研究者はコメントしています。なぜなら、雷の発生条件は地表の気温に関係するからです。北極圏の気温はこの30年に1から2℃上昇しているため、以前よりやはり雷が発生しやすくなっているのです。気候モデルによると将来的にツンドラ地帯では約1.5倍、北部の森林では約2倍の雷の発生予測が出ています。
問題はさらにあります。雷による火災です。森林火災ですから、もちろん、燃焼によるCO2が排出されます。予測によると現在の何倍もの二酸化炭素が排出されるだろうといわれています。
北極圏の雷は、気候変動にとって重大な意味を持つのです。
しかし、北極で雷がそんなに珍しいとは実は知りませんでした。北極圏の人は「地震、火事、おやじ」で雷がないのかもしれません。
しりとりは続きます。明日は「り」。では、よい週末をお過ごしください。
これまでのしりとり
しりとり
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かみなり(雷)
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