みずでんかい(水電解):毎日連載!日本一わかりやすい脱炭素用語解説しりとり 第127語 | EnergyShift

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みずでんかい(水電解):毎日連載!日本一わかりやすい脱炭素用語解説しりとり 第127語

みずでんかい(水電解):毎日連載!日本一わかりやすい脱炭素用語解説しりとり 第127語

こんにちは。毎日ひとつずつ脱炭素関連用語を紹介しています。青い空、白い雲。夏ですね。暑いです。

しりとりで用語解説をしています。昨日は「クマノミ」でしたので、今日は「み」。

みずでんかい(水電解)

水電解ってご存知ですか。ちょっと略されていまして、ほぐすと「水の電気分解」になります。

水は、みなさんご承知の通り、H2Oです。水素がふたつと酸素がひとつ。ここに、電気を通すことで、HとOが別れます。電池のプラスとマイナスにケーブルを着け、水(電気が通りやすく電解質をいれたりします)につけると、水から気体が出てきます。

Hは陰極(マイナス極)へ、Oは正極(プラス極)へと別れるのですね。中学校くらいの実験でやった方も多いかもしれません。

これが、水の電気分解です。電気によって水を分解した、ということなので、まあその通りといえばその通りです。

この中学校の理科の実験でやる水電解が、いま、脱炭素業界で非常に重要視されているのですッ!

それは、水素を社会的に利用しようという、いわゆる水素社会に大きな意味を持つからなのです。

水素を本格的に社会のいろいろなところに使おうとすれば、膨大な量が必要です。水素はそのままでは自然界に存在しませんから、水素をなんらかの方法でつくり出さなければなりません。

水素の製造法はいくつかあります。たとえば化石燃料やガスに手を加えて水素をとり出す方法もあります。しかし、基本的に二酸化炭素を出してしまいます。これは、グレー水素とかいわれているものです。安く大量に作るのであれば、グレー水素が今のところ有利です。

ですが、ちょっと待ってください。あれ? なんのために水素にするんだっけ?

二酸化炭素を減らすため、ですよね。

であれば、グレー水素は意味ないんじゃない? わかった。じゃあ、グレー水素の二酸化炭素を回収してどっかにため込めればいいんじゃない? (これを、ブルー水素といいます)。 だがしかし、二酸化炭素の回収・貯蔵はまだ商用としての技術が確立しているとは言いにくいです。研究は進んでいるようですが。

であれば、水の電気分解であれば、水素と酸素しかでないから一番いいんじゃない? その電気を化石燃料由来ではなくて、再エネの電気で水電解して水素を作れば一番最強じゃない? はい。そうなのです。最強です。これを、グリーン水素といいます。

グリーン水素製造に欠かせない中学の実験、それが水電解なのです。

現在、水電解による水素製造は、固体高分子(PEM)型水電解というのと、アルカリ型水電解というのが有力で、大型の製造機が世界で作られはじめています。もちろん、まだいろんな課題があり、もう万事解決、とはいえません(再エネがそんなに大量にある、または使えるのかという問題もあります)。

ただ、水素社会を本気で考えるなら、この水電解はその一番大もとの化学反応になるはずです。

ちょっと大げさにいえば、人類のエネルギーが結局太陽と風と水にもどってくる、ともいえるかもしれません。そう考えると、ちょっと面白い。

水がなぜ水素と酸素に分離するのか? は、なぜ水は水素と酸素が結合しているか? と同じくらい謎なのです。今も水の分子構造をずっと研究している人がいるのです。それも面白い話しですが、また別の機会に。

しりとりは続きます。明日は「い」。よい一日をお過ごしください。ではでは。

ひとつまえのしりとり(クマノミ)

 

これまでのしりとり

しりとり

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